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卒 業 -仰げば尊し-

みなさま、こんにちは!

3月も中旬に入り、各地で卒園・卒業式が佳境を迎えています。
はじめて門をくぐった日から幾星霜、楽しいこと辛いこと、時には勉強や友人関係で悩んだこと、さまざまな思い出が胸に詰まっていることでしょう。

そして、卒業式を感動的に演出するのが、いわゆる卒業式ソングです。
これまで何曲も歌ったはずなのですが、私たちにとって真っ先に浮かぶのは「仰げば尊し」です。

 「仰げば尊し」
あおげば 尊し わが師の恩
教(おしえ)の庭にも はや幾年(いくとせ)
思えば いと疾(と)し この年月
今こそ 別れめ いざさらば

互いにむつみし 日頃の恩
別るる後にも やよ忘るな
身を立て 名をあげ やよ励めよ
今こそ 別れめ いざさらば

朝夕 馴(なれ)にし まなびの窓
螢のともし火 積む白雪
忘るる 間ぞなき ゆく年月
今こそ 別れめ いざさらば

  一番は恩師に、二番は友人に、三番は校舎に歌いかける・・・。
これほど目頭が熱くなり、万感胸に迫る歌は滅多にありません。

「仰げば尊し」の謎
「仰げば尊し」が『小学唱歌集 第三編』に収録されたのが明治17年(1884年)です。
しかし、これまで作曲者については、作者不詳のスコットランド民謡説や当時の文部省音楽取調掛であった伊沢修二説などが挙がっていたものの、いずれも決定的な証拠はありませんでした。

3拍子・6拍子
明治時代になって西欧の文化を積極的に取り入れるまで、日本では「4分の3拍子、8分の6拍子)」の歌は珍しいものでしたが、「仰げば尊し」は譜面上、「8分の6拍子」です。
つまり、当時としては新たな息吹を感じさせる“ニューミュージック”だったわけです。
3拍子・6拍子には「強-弱-弱」というリズム感があり、心を揺さぶられる曲が多いように感じます。

長年の謎が明らかに!
平成23年(2011年)、英語学・英米歌謡民謡論の専門家である一橋大学 櫻井雅人名誉教授によって、「仰げば尊し」は、米国の「Song for the Close of School」という曲が原曲であることが明らかにされました。※
「Song for the Close of School」は、1871年に米国で出版された楽譜集『The Song Echo』に収録されている一曲です。
       ※ 櫻井雅人,ヘルマン・ゴチェフスキ,安田寛 著
          「仰げば尊し 幻の原曲発見と『小学唱歌集』全軌跡」東京堂出版(2015年)


「仰げば尊し」








「Song for the Close of School」









「卒業」がひとつの例ですが、そこには、家族、学校、先生、先輩、友人、等々、本当にたくさんの方のご恩があることを謙虚に受けとめ、深く感謝する心を忘れないようにしたいものですね。

米国で誕生した「Song for the Close of School」が日本に渡り「仰げば尊し」となって今年で141年・・・。

今一度、あの日にかえり、「仰げば尊し」の曲と歌詞をかみしめたいと思います。




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